悩む・・・?

私にとっての「ヤマミゾソバ」の教科書は、愛知みどりの会が発行した「シデコブシ 第1巻 第1号」のみです。
検索したらヤマミゾソバの紹介はたくさんありますが、どれも決め手がありません。シデコブシにも書いてある全体の印象「茎が長く伸び、側花序の枝が短くて全体に著しく細長い印象を受けるので、識別は容易である。」みたいなミゾソバをヤマミゾソバとして紹介されています。

それではシデコブシのヤマミゾソバの説明文を引用しながら、最も大きな群落を作っているヤマミゾソバ?と比べてみましょう。

1、植物体は大きく、主軸の長さ50~240cm、基部は倒伏して地表を匍匐し、上部も比較的低い角度で斜上するが、他物に寄りかかって立ち上がることもある。

全体の写真です。
写真では分かりませんが、確かに主軸の長さは100cm以上は有りそうです。でも、普通に見るミゾソバも主軸の長いものは200cmは有りそうなんだけどな?

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2、葉身の長さは5~10cm、長さの割には幅が広く、先端は鋭尖頭、基部はほとんど切形、頂裂片は卵状三角形、基部は全く、あるいはくびれない。
注:鋭尖頭(えいせんとう)はこちらを参考にしてください。
   http://homepage3.nifty.com/norman/fdb/Z_hanosentan.html
注:頂裂片は、ミゾソバの葉っぱで言えば、くびれから上の部分。
注:基部の葉っぱの形で、切形(せつけい) とは平らで直線になるもの。

葉っぱを見てみましょう。

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どう見ても、葉っぱは、「長さの割には幅が広く」とは言えそうに有りません。
また、「基部は全く、あるいはくびれない。」とありますが、ミゾソバを見ていると個体差や葉の付く位置で大きく違うことは当たり前の世界です。写真を見ているとキュートにくびれた葉も見えています。
この葉の形が、シデコブシを参考書として、自分が見てきたものと一番に違う所です。


3.葉柄は長いもので3~5cm、翼はあまり発達しない。
葉柄を見てみましょう。

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確かに翼はありません。
葉柄に翼が有るとは、こんな感じです。(オオミゾソバの特徴になっていますが、これくらいなら普通のミゾソバにもあります。)

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4.花序は中程度の大きさで、主軸が長く伸びるのに側花序の柄は短く、そのため花序群は著しく細長くなる。
注:花序(かじょ)とは枝上における花の配列状態のことである。
植物の用語の詳しい説明はこちらを参考にしてください。
http://matsue-hana.com/yasou/yougo/yougo.html
でも、側花序の意味が意味が良く分かりません。上記の文章からすると、普通のミゾソバに比べて短いから「花序群は著しく細長くなる」ととれますよね。

花序の付き方です。

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主軸が長く伸びているのは分かります。でも、側花序が主軸から分かれた花序だとすれば長く伸びています。

普通のミゾソバです。

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こんな花の付き方をしたものをヤマミゾソバと紹介されている所が多いようです。(もしかしてこの子がヤマミゾソバ?)

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側花序が、どの部分を指すのかをご存知の方。よろしくご指導をお願いします。


5、花被は長さ3.5~4.5mm。本州中部のものは全て白色であるが、中国地方、四国、九州のものは多少なりとも紅色を帯びることが多く、花被先端部だけ僅かに紅色を帯びる個体も混じらない集団はむしろほとんどない。

花を見てみましょう。

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別の場所で、ほとんど真っ白に見える花ですが、微かに紅色があります。

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今日は訪ねていませんが、同じような姿のミゾソバで、白花とピンク花が咲き分けている場所もあります。そこはちょっと山登りをしないと見れないので、なかなか行けません。
5-2 紅色を帯びるものについては、他種と同様品種の階級で区別し、ベニヤマミゾソバと命名する。
私が見ている系統はほとんどが紅色を帯びています。でも、全体がピンクの花はどうするのかな??


6.皿状托葉の有無
このことはシデコブシには記載されていませんが、皿状托葉のある群落と無い群落があります。

まずは、最初の写真の群落です。皿状托葉があります。

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板屋峠の反対側の群落です。

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7、気になる事
シデコブシの編者の方々は板屋峠も見ておられるのですが、福岡県で見たのは古処山だけです。板屋峠で多く見てこられたのはヒカゲミゾソバなのですが、開花期が2ヶ月ほど違います。また、閉鎖花序柄の長さも違うのでヒカゲミゾソバとしての候補には上げていませんが、ヤマミゾソバとも一致しないようなので、ヒカゲミゾソバも考えなきゃいけないかな??


ヤマミゾソバを紹介されているブログです。
http://ameblo.jp/you-gurenomachide/entry-11051878247.html
そっくりですね。

私のブログで、ヤマミゾソバじゃないかな?と言われた写真です。
http://ponpoko.at.webry.info/200509/article_69.html

ヒカゲミゾソバとして写真で紹介されている唯一のブログです。
http://blog.goo.ne.jp/ken328_1946/e/df074a63e9383c085476df7b8233c5cd
これもそっくりですね。

でも、シデコブシにはヒカゲミゾソバの生息場所について、こんな記述があります。
「本変種は山地性の植物で、沢沿いの湿地や湿った林縁、林内など比較的自然度の高い場所に生息している。」

なんだけど、私が見ているのはすべて道沿いに咲いた花です。一部はこんもりとした湿度が低い所に咲いているものもあります。

この記事へのコメント

2012年10月03日 16:24
素晴らしいレポートでした。凡人にはよく理解できないことが多かったけど、こうして丁寧に説明していただけるとぽんぽこさんの世界に惹きこまれてしまいます。
先日久しぶりに(半世紀以上かな)六会のキャンパスを一周してきました。昔日の面影はどこにもありません。JAで○○資源科学部の肉製品を購入してきました。
私です
2012年10月08日 20:54
目黒のおじいちゃんさん、いらっしゃいませ。
六会の校舎は、たった一年ですが私の学び舎。長後に下宿して通っていました。私は半世紀まではいきませんが35年前の話です。
ここで紹介したミゾソバは、たぶん文献上では正式に確認されていない種だと思います。ミゾソバに一番詳しい愛知教育大学でも、このタイプは取り上げられていません。そんな訳で、これからは「ツクシヤマミゾソバ」と名前を付けて紹介していこうと思っています。

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